虐待~専門職として知っておきたい視点~

法定研修 高齢者虐待防止関連法を含む虐待防止に関する研修
目的高齢者虐待の基礎知識や万が一虐待(と疑われる)行為をした場合の捉え方、虐待が起きにくい職場づくりのヒントまで一連を学びます。
効果虐待について職員全員が同じ知識に触れることで、虐待が起きにくい組織風土の醸成のきっかけにできます。
概要虐待の基礎知識から始まり、実例を通して、虐待が起きる背景について考えを深めます。そのうえで、万が一虐待が起きた場合の捉え方や虐待を起きにくくするためのコミュニケーションのコツを紹介します。キレイごとだけに留まらず、講師のリアルな実体験を踏まえて現実に即した展開になっています。

研修内容冒頭まとめ

第1章:高齢者虐待とは?(介護職向けまとめ)

  • 高齢者虐待の意味
    高齢者が、家族や介護職員などから適切ではない扱いを受け、権利や利益を侵害されたり、生命・健康・生活が損なわれる状態を指します。

  • 法律で定められたのは平成18年(2006年)から
    「高齢者虐待防止法」により、虐待の定義や防止のための枠組みが整備されました。
    それ以前は「虐待」という考え方自体が明確ではありませんでした。

  • 現場での事例
    ある利用者さんが歩きづらい状態で帰ろうとした際、スタッフが「また変な歩き方してる」「見て笑える」と笑い合っていました。
    → 本人を笑い物にすることも、立派な虐待にあたります。
    → 本人に悪意はなくても「当たり前」のように行われてしまうことが危険です。

  • 大切な視点

    • 虐待は「叩く」「怒鳴る」など分かりやすい行為だけではありません。

    • 悪気がなくても「人としての尊厳を傷つける言動」は虐待につながります。

    • 自分やチームのケアを振り返るきっかけにすることが大切です。

高齢者虐待は、知らず知らずのうちに行われてしまうこともあります。
「これって本当に利用者さんのためになっているのかな?」と立ち止まって考えることが、虐待防止の第一歩です。


第2章:虐待が起きない職場環境に向けて

  • 「無理やりお風呂に連れていくこと」は虐待か?
    一見すると「介護の一場面」ですが、利用者さんの立場からすると大きな恐怖や抵抗につながることがあります。

  • スタッフから見る視点

    • 入浴を嫌がる方を連れて行こうとすると、暴れて抵抗されることがある。

    • その行為を「暴力」と捉え、「スタッフが虐待を受けた」と感じることもある。

  • 利用者さんの視点に立つと…

    • 認知症で記憶や見当識が混乱している中、知らない人に声をかけられ、突然「お風呂に行きましょう」と言われる。

    • さらに腕をつかまれ、複数人で囲まれて強引に連れて行かれる。

    • 本人からすれば「拉致される」「命の危険を感じる」体験であり、必死に振りほどく行動は“正常な反応”です。

  • 大切な気づき

    • 「認知症だから暴れている」のではなく、人格が正常だからこそ抵抗している

    • 私たちが「ケア」と思ってしている行為が、本人にとっては「虐待」に見えることがある。

  • まとめ
    現場は忙しく時間に追われますが、「これは本当に本人の立場に立ったケアか?」を立ち止まって考えることが大切です。
    専門職だからこそ、表面的な行動だけで判断せず、背景にある不安や気持ちに目を向けることが、虐待を防ぐことになります。

研修内容詳細

種別概要
動画第1章 虐待の基本的知識
動画第2章 虐待が起きない職場環境に向けて

上記は、あくまでご参考のプログラムです。 法人のご要望や受講者数・研修時間によってプログラムを変更する場合があります。 詳しくはお問い合わせ下さい。

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