口腔ケアとは?手順や方法、留意点について詳しく解説
私たちは1日に何回か歯磨きをします。朝起きたとき、食事の後、寝る前など・・・その主な目的は、口の中の細菌や汚れを除くことですが、高齢者にとっての口腔ケアにはもう1つ、口の機能を維持・向上させるという目的があります。口腔ケアは、誤嚥性肺炎の予防など、全身の健康維持にもつながります。ご自分では歯磨きが出来ない高齢者には、介護職員が口腔ケアを行わなければなりません。
この記事では、口腔ケアの目的と効果、手順や方法、留意点など、実践的な内容について詳しく解説いたします。
口腔ケアとは
口腔ケアの内容
口腔ケアとは、口の中の健康を維持するためのケアや手入れのことを指します。口腔内には歯、歯茎、舌、口腔粘膜などがあり、それらの健康を保つためには適切な口腔ケアが必要です。
特に高齢者の口腔ケアについては、大きく2つに分類されます。1つは歯磨きやうがい、義歯や口内、舌の清掃などで、口の中の細菌や汚れを除くこと、もう1つは口腔機能訓練やマッサージなどによって口の機能を維持・向上させることです。前者は「器質的口腔ケア」、後者は「機能的口腔ケア」と呼ばれ、どちらも口の健康だけでなく、全身の健康維持につながります。
具体的な口腔ケアの内容には以下のようなものが含まれます。
器質的口腔ケア
- 歯磨き
歯ブラシや歯磨き粉を使って、歯垢や食べかすを除去し、歯を清潔に保ちます。 - 歯間清掃
歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、歯と歯の間の汚れを取り除きます。 - うがい
口の中をすすいで残留物を洗い流すことで、口の中を清潔に保ちます。 - 舌のケア
舌ブラシや舌クリーナーを使って舌の表面を清潔にし、口臭を予防します。 - 定期的な歯科検診
歯科医による口腔の健康チェックや歯石の除去などを定期的に受けることが重要です。
機能的口腔ケア
- 顔面体操
顔の筋肉を鍛えることで、口や顔の周囲の機能を向上させるためのエクササイズです。この顔面体操は、口腔機能の改善や口周囲の筋力強化、嚥下や発音の改善、表情筋のトレーニングなどに効果があると言われています。口を大きく開ける、横に開く、小さくすぼめるなど、いろいろな表情をしながら顔の筋肉を動かします。 - 舌体操
口腔内の筋力や運動能力を向上させるために舌を使ったトレーニングのことです。舌は発音や嚥下、食事の際の正しい口腔内の機能に重要な役割を果たしており、その筋力や動きを強化することで口腔機能全般の改善が期待されます。1〜3を繰り返し、しっかり舌を動かしましょう。- 口を大きく開け舌をゆっくり前に出す。
- 出した舌を出したり引っ込めたりする。
- 舌を上あごにつけたり、横に動かしたりする。
- 唾液腺マッサージ
唾液をしっかり出すために、指圧や軽い揉みほぐしを用いて、耳下腺、顎下腺、舌下腺を刺激するマッサージです。唾液腺周囲の筋肉や組織を刺激し、唾液の分泌を増加させることで口腔内の湿潤度を維持し、消化を助けるなどの役割があります。- 耳下腺
- 親指以外の指4本を耳の前(上の奥歯あたり)に当て、後ろから前へ向かって10回ほど円を描くようにマッサージしていく。
- 顎下腺
- 親指で耳の下から顎の先までのラインの内側のくぼみ部分3~4か所を順に押していく。目安は各ポイントを5回ほど。
- 舌下腺
顎の中心あたりの柔らかい部分に両手の親指を揃えて当て、あごの真下から突き上げるように10回ほど上方向にゆっくり押し当てる。
- パタカラ体操
「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで食べるために必要な筋肉をトレーニングすることを目的としています。各発音8回を2セット行います。- 「パ」
食べ物を口からこぼさないよう、唇を閉めるために働く筋肉を使います。唇をしっかり閉じてから発音しましょう。 - 「タ」
食べ物を押しつぶして飲み込むときに働く筋肉を使います。舌を上の前歯の裏にくっつけて発音しましょう。 - 「カ」
食べ物を飲み込むときに誤って気管に入らないよう、のどの奥を閉じるために働く筋肉を使います。のどの奥を閉じて発音しましょう。 - 「ラ」
食べ物を飲み込みやすくまとめるときに働く筋肉を使います。舌を丸めて、舌の先を上あごの前歯の裏につけて発音しましょう。
- 「パ」
これら機能的口腔ケアは、個々の状況に合わせた効果的な方法や指導が必要な場合もあるため、歯科医や歯科衛生士など専門家の指導のもとで実践することが望ましいです。
これら機能的口腔ケアは、個々の状況に合わせた効果的な方法や指導が必要な場合もあるため、歯科医や歯科衛生士など専門家の指導のもとで実践することが望ましいです。
口腔ケアの目的
口には「食べる」「話す」「呼吸をする」などの機能があります。口腔ケアの目的は、これらの機能を低下させることなく健康な状態を維持し、口臭や歯周病などの口腔問題を予防することです。
以下に口腔ケアの具体的な目的を挙げます。
- 歯周病(※)の予防
適切な歯磨きやうがいを行うことで歯垢や歯石を除去し、歯周病を予防します。 - 虫歯の予防
定期的な歯磨きやフッ素製品の使用により、虫歯のリスクを低減します。 - 口臭の予防
適切な口腔ケアにより口内の清潔を保ち、口臭を防止します。 - 全身の健康への影響
口腔内の状態が全身の健康にも影響を与えるため、口腔ケアは全体的な健康に貢献します。 - 快適な食事や会話を可能にする
口腔の健康が維持されることで、快適な食事や円滑な会話が可能になります。
※歯周病とは、細菌の塊「細菌性プラーク」が歯ぐきや歯の根元を支える「歯槽骨」にダメージを与えることにより起こる病気です。日頃の歯磨きが不十分だと、粘着性の高い細菌性プラークは取り除かれることなく歯に残ってしまい、やがて石灰化して歯磨きでは取り除くのが難しい「歯石」となります。
歯を失った高齢者のうち、約5割は歯周病が原因と言われています。歯を長く健康な状態に保つためには、歯周病を予防するための口腔ケアが重要です。
口腔ケアの効果
高齢者は、微細な細菌でも感染症や誤嚥性肺炎に陥ることがありますが、口腔ケアを行えばこれらの疾患を予防できることが分かっています。つまり口腔ケアは、単に歯や歯ぐきのためだけではなく、生活援助に加えて全身疾患の予防など、生命の維持・増進に直結したケアでもあるのです。
以下に高齢者にとっての、具体的な口腔ケアの効果を挙げます。
誤嚥性肺炎の予防
誤嚥性肺炎とは、唾液や食べ物などが誤って気道に入り込む「誤嚥」が生じた際、一緒に口内の細菌も肺へ入り発症する感染性肺炎のことです。誤嚥性肺炎によって毎年多くの高齢者が命を落としています。
口腔ケアにより誤嚥性肺炎の原因となる菌が大きく減少すれば、たとえ誤嚥が生じても、重症化する可能性が低減されます。特に、高齢者が寝ている時に唾液が奥へたれ込むことは防げず、それが元で起こる誤嚥性肺炎は口腔ケアでしか予防できません。
口腔機能の維持、回復
毎日の口腔ケアが適切に行われ、口の中を清潔に保つことができれば、口腔環境が整えられ、虫歯や歯周病等が改善されます。歯周病によりうまく固定されなかった入れ歯もしっかりと固定され、隙間にものが入って痛くなることもなくなります。
口腔ケアには咀嚼や嚥下機能のケアも含まれます。咀嚼や嚥下の機能が正しく動作しないと、食後に食べ物が口の中に多く残ってしまったり、誤嚥を起こしたりするリスクが高まります。そのため、マッサージや訓練などによって嚥下機能を維持していくことが大切になります。
また、口腔ケアによって唾液の自浄作用を促したり、保湿ケアを行うことで口の乾燥を予防します。加齢やお薬の影響によって、高齢者の口の中は乾燥しやすいです。口の中が乾燥すると、汚れが溜まりやすくなり、むし歯や歯周病になりやすい、口臭が気になる、味を感じにくくなるなど、さまざまな影響を及ぼします。
味覚の向上→食欲増進→栄養状態の改善
舌に汚れが溜まっていたり、口の中が乾燥していると味を感じにくくなる場合があります。なぜなら、味覚は唾液や水に溶けたものだけに反応するからです。
口腔ケアで唾液分泌が増加すれば味覚が改善され、食欲も増し、栄養改善にもつながります。何より、自分が好きなものをいつまでも食べられることは、精神的に大きな支えとなるでしょう。食べることへの意欲が低下している高齢者に対して口腔ケアに力をいれることで、食への意欲が改善するケースもあります。
コミュニケーション機能の回復
口や舌の動きが向上することで発音がよくなり、おしゃべりや意思疎通も円滑にできるようになります。また、口腔周囲筋が動かしやすくなり、表情が豊かになることもあります。
脳の活性と認知症予防
口腔ケアは認知症の予防にも重要だとされています。口で物を噛み飲み込むという強い刺激は、脳の広い領域に影響を与え、脳の活性化に役立っています。口腔ケアが疎かになることで咀嚼機能が低下すると、脳への刺激が減少します。
最近の研究では、歯が多いほど認知症になりにくい、噛む刺激で脳の海馬(記憶をつかさどる部位)の神経細胞が増える、歯周病がアルツハイマー型認知症を増悪させるなど、咀嚼と脳機能に関する研究が多くなされています。
口腔ケアの手順・方法
口腔ケアで使用する物品
口腔ケアというと「歯磨き」が思い浮かびますが、様々な方法があります。高齢者の歯や口の状態に合った方法や道具を選ぶことが肝心です。歯や口を清潔かつ健康に保つための「器質的口腔ケア」には、状態別に以下のような道具を使用します。
状態 | 器質的口腔ケア |
自分の歯がある人 | 歯磨き:歯ブラシ 歯と歯の間:歯間ブラシ・糸ようじ・フロスなど その他:フッ素入り歯磨剤の使用 |
部分入れ歯を使って いる人 | 歯磨き:歯ブラシ 歯と歯の間:歯間ブラシ・糸ようじ・フロスなど その他:フッ素入り歯磨剤の使用 入れ歯の清掃:義歯用ブラシ+義歯洗浄剤 |
総入れ歯の人 | 入れ歯の清掃:義歯用ブラシ+義歯洗浄剤 舌と粘膜ケア:舌ブラシ・粘膜用ブラシ |
- 歯ブラシ(電動歯ブラシ)
歯ブラシを45度の角度で歯と歯茎に当て、優しく円を描くような動きで磨くと効果的です。 - 歯間ブラシ
歯と歯の間を掃除するときに使います。柔らかめのものを選ぶと歯茎を傷つけにくくなります。歯科医師のアドバイスを仰ぐか、製品のパッケージを参考にしましょう。 - 歯磨き粉
フッ素を含んだものを選ぶと虫歯予防に効果的です。 - スポンジブラシ
頬の内側など、粘膜を清掃・刺激したいときに使います。 - 舌用ブラシ
舌を掃除するときに使います。 - 義歯用ブラシ
広いブラシで歯や歯ぐき部分を、狭いブラシで歯間や金属部分などを洗います。 - うがい受け(ガーグルベース)
ベッドなどでのケアで、うがいのあとの水を吐き出すときに使います。 - 口腔ジェル
口腔内が乾燥している方の保湿に利用します。
口腔ケアの手順
全てを介護職員が行うのではなく、自助具や工夫した清掃具を活用し、できるだけ本人の残っている能力を活かす「自立支援」の視点が重要です。出来ない部分のケアは介護者が行いましょう。
毎日、食後や就寝前に歯や口・舌の清掃を行います。むし歯の予防はフッ素入り歯磨剤の効果的な使用、歯周病予防はプラークの除去が基本です。なお、ブリッジ・部分入れ歯・総入れ歯が入っている方はそれぞれに応じた清掃方法と配慮が必要です。
- うがい
まずは、うがいをして口腔内の食べかすを吐き出します。義歯がある場合は義歯を外してうがいをします。 - 歯の清掃
- 歯ブラシをご自身で 扱える場合できる限り自力での歯みがきを促しましょう。肘を挙げていられなければ、その部分だけ支えたり、できない動作だけを支援します。
- 介助が必要な場合、歯ブラシとは反対の手指で、唇や頬を広げ視野を確保しながら、口の中を磨き残しなく一周して磨いていきます。
- 寝たきりや重度障がいなど、誤嚥の可能性が高い場合歯ブラシだと誤嚥の可能性が高い場合は、使い捨て手袋などを装着し、指に巻き付けた滅菌ガーゼや綿棒で口腔内の汚れを拭き取ります。
- 粘膜の清掃
頬の内側、唇の内側、歯ぐき、上あご、舌などの汚れを取ります。スポンジや口腔ケア用のウェットティッシュなどを利用して、やさしく取り除きます。 - 舌の清掃
舌にこびりついた白い苔状のものは、食べかすや細菌が集まってできた舌苔(ぜったい)といい、口臭の原因にもなります。舌用ブラシやスポンジブラシなどで奥→前、中→外の方向に、やさしくこすり取ります。 - うがい
最後に口腔内に汚れが残らないように、しっかりとうがいをしたら終了です。口腔内が乾燥している場合、保湿薬を使用したり、仕上げに洗口液を使用するのもおすすめです。 - 義歯の洗浄
- 入れ歯を外して食べ物の残りかすなどをざっとすすぎます。
- 義歯用ブラシでブラッシングします。
- 小さな入れ歯でも必ず外してから手の平にのせて洗面器の上でみがきましょう。
- 就寝前は義歯洗浄剤を使用してお手入れしましょう。(できれば浸けておく)
- 使用する際は、義歯用ブラシで浮き上がった汚れと義歯洗浄剤を洗い流します。
器質的口腔ケア
機能的口腔ケア
方法 | 機能的口腔ケア |
顔面体操 | しっかり目をつぶり、唇を横に引いて頬をあげます。その後、口と目を思い切り開けてください。もう一度口をしっかり閉じてから、頬を膨らませて、口を左右に動かします。 |
舌体操 | 口を開けて行うものと閉じて行うものがあります。口を開けて、舌を思いっきり出したり引っ込めたり左右に動かし、口の周りをなめるように回します。上下に舌を動かす運動もよいでしょう。口を閉じて行う舌体操は、舌で上・下唇を内側から押したり、頬を押したりします。舌の働きがよくなって唾液も出やすくなり、発音がよくなります。 |
唾液腺マッサージ | ①まずは唾液腺の位置3箇所(耳下腺・顎下腺・舌下腺)を確認します。 ②耳下腺は耳たぶの前、上の奥歯辺りの頬の部分にあります。そこを人差し指を当て、指全体で優しく押します。酸っぱい食べ物を想像するとスーッと唾液が出てくるところです。この動作を5~10回程繰り返します。 ③顎下腺はアゴの骨の内側のやわらかい部分にあります。そこに指を当て耳の下〜アゴの先まで優しく押します。この動作を5〜10回程繰り返します。 ④舌下腺はアゴの先のとがった部分の内側、ベロの付け根の部分にあります。そこに親指を当て下アゴからベロを押し上げるようにグーッと押します。この動作を5〜10回程繰り返します。 |
口腔ケアを行う際の留意点
安全な姿勢を確保する
口腔ケアをする前に、正しい姿勢を確認しましょう。
相手が座っている場合は、足を床につけて姿勢を安定させます。あごが上がらないように少し前屈みの姿勢で行うと、誤嚥のリスクを減らせます。また、介護する側が立ったままケアをすると顔を上げてしまうため、目線の合う座った状態で介助します。
ベッドなどで行う場合は、ケア中に水分や汚れた唾液が気管へ垂れ込み誤嚥してしまうこともあります。誤嚥を防ぐため、少なくとも30度は上体を起こし、顔を横に向け、枕などを使ってあごを引きます。あごを引いたうつむき加減の姿勢が誤嚥しにくいといわれています。
嚥下機能が低下している場合は、水分の使用はできるだけ少なくして、吸引器や綿棒、ガーゼ等で水分を除きながら行います。麻痺がある方の場合、麻痺した側を上に健常な側を下にすることで嚥下反射や咳反射を生じやすくし、誤嚥を防ぎましょう。
口腔内をチェックする
口腔ケアをするときは、初めに口が十分に開くかどうかを確認してください。十分に開かなかったり、大きく開こうとすると顎の関節に痛みがあるようなら、何らかの原因が考えられるので、専門医に相談しましょう。また、義歯は外してから行います。
口腔内に問題がないか観察します。痛みがあるとケアを避けようとするので、痛みの原因となる口内炎・欠けた歯・歯肉の脹れ・義歯による傷などの有無をチェックします。
歯 | 色、かみ合わせの状況、虫歯の有無、汚れを観察します。 |
歯肉 | 健康な歯肉はピンク色で堅く引き締まっていますが、歯周疾患があると赤く腫れぼったく、少し触ると出血します。 |
粘膜 | 通常は暗赤色。びらん、潰瘍の有無を観察します。 |
口唇 | 色の変化、びらん、潰瘍の有無を観察します。 |
舌 | 健康な舌は淡紅色。白い膜状の舌苔で覆われることも。腫れがないか、舌運動の異常がないかを観察します。 |
口臭 | 原因は口腔内だけでなく、鼻咽腔の炎症、呼吸器官や消化器官とも関係があります。 |
歯磨きが難しい方の口腔ケア
高齢者には、身体の状況により通常の歯ブラシなどでは歯磨きが難しい方がいます。歯磨きが難しい方は、口腔ケア用ガーゼやスポンジブラシを使用します。
口腔ケア用ガーゼを使った口腔内の清拭は、ガーゼを指に巻き付けて口腔内の食べかすなどを取り除きます。
スポンジブラシを使用する場合は、スポンジを湿らせて軽くしぼった後に口腔ケアを行います。ケアの後、水分や食べかすが口腔内に残っていると誤嚥性肺炎の危険性があるため、注意が必要です。
口腔ケアを行う際に起こりがちなトラブルと対処法
口腔ケアを行う際に起こりがちなトラブルとその対処法についていくつか紹介します。
歯肉の出血 | 歯磨きをする際に歯茎から出血することがあります。これは歯周病や歯肉の炎症が原因となることがあります。歯磨きや歯間清掃時に軽く押さえるようにしながらゆっくりと行います。歯ブラシやデンタルフロスの使い方を確認し、適切な圧力で優しく歯茎を刺激しないようにします。 |
口内炎など口の中の 不快感 | 口腔ケア中に口内炎が発生することがあります。これは歯ブラシやフロスなどが口腔組織に刺激を与えることが原因です。柔らかい歯ブラシを使用し、ソフトな動きで歯磨きを行い、口腔内をうがいしてすすぐことで、不快感を和らげます。痛みを軽減するために歯科医で口内炎薬を処方してもらうこともできます。 |
歯垢やプラークの 除去が困難 | 歯磨きやフロスの不十分なケアや、定期的な歯科検診の欠如により、歯垢や歯石が蓄積されることがあります。これにより虫歯や歯周病のリスクが高まります。対処法としては、歯磨きを丁寧に行い、フロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の清掃を行うことが重要です。また、定期的な歯科検診に通うことも大切です。 |
歯の痛みや違和感 | 歯の痛みは口腔ケア中に悪化することがあります。これは歯のエナメル質の摩耗や歯ぎしり、むし歯などが原因として考えられます。症状が続く場合は歯科医に相談し、原因を特定して適切な治療を受けましょう。 |
これらのトラブルを避けるためには、正しい口腔ケアの方法を実践することが必要です。また、個々の症状や状況によって適切な対処法は異なる場合があります。症状が慢性化する場合や疑問がある場合は、歯科医に相談しましょう。
まとめ
要介護高齢者は自分自身で十分な口腔ケアができない場合もあり、健康な歯を保つためには介護職員による口腔ケアが不可欠です。
口腔ケアは毎日行うべきですが、ただ歯を磨くだけではなく、正しい口腔ケアの方法を実践することが重要です。また、定期的に歯科検診に通うことで虫歯や歯周病の予防・早期発見に努めましょう。歯科医院まで行けない在宅高齢者や施設に入所している高齢者は、訪問歯科や歯科往診などを利用するのも良い方法です。
口腔ケアにより高齢者のQOL(生活の質)が向上し元気になっていくことは、在宅介護をする家族や介護現場の職員の介護負担の軽減にもつながります。口腔ケアは介護を受ける側だけでなく、介護をする側にとっても大きなメリットをもたらすのです。ぜひ正しい方法を身に付け、口腔ケアに取り組んでみてください。
ツクイスタッフでは、介護現場での口腔ケアに関する研修を「動画研修・講師派遣型研修・オンライン研修」の3つのスタイルで総合的に提供しています。
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参考文献
- 「口腔機能向上マニュアル」 (全国国民健康保険診療施設協議会)
- 「施設における口腔健康管理推進マニュアル」 (日本歯科衛生士会)
- 「要介護高齢者のための口腔ケアマニュアル」 (東京都保健所)
- 「基礎から学ぶ口腔ケア」 菊谷武(学研メディカル秀潤社)
- 「介護福祉士養成実務者研修テキスト」 (長寿社会開発センター)
- 「介護職員初任者研修テキスト第2版」 太田貞司・上原千寿子・白井孝子(中央法規)
- 「生活援助従事者研修59時間テキスト」 堀田力・是枝祥子(中央法規)
参考サイト